＜カップのクイーン＞

 

女王は、立派な細工を施した「カップ」を持っています。

そして、その「カップ」を見つめています。

「カップ」のカードの中でも、一際立派な「カップ」は、とても複雑で、優美なデザインです。

「カップ」は感情を表すモチーフです。

成熟した感情とは、この「カップ」の様に、複雑で優美であることを表しているのかもしれません。

 

女王のドレスは、まるで「水」の様に豊かでしなやかで、身体を優しく包み込んでいます。

足元は、流れる「水」と一体化しているように見えます。

しかし、彼女は「水」の流れには呑み込まれず、しっかりと自分の立場を守っています。

 

彼女が腰掛けている王座は、人魚の天使が掘り込まれています。

そして、背もたれに掘られた人魚の天使たちは、ホタテ貝を持っています。ホタテ貝は「水」の象徴です。

「カップ」も「水」の象徴です。

 

 

「水」の中に、「水」を持って、女王は座っています。

 

 

生命は「海」から誕生したと言われています。

「水」から生まれていくる「命」を、女王はじっと見守っているのです。

 

 

理想の女性

芯がしっかりとある強い女性

慈愛に満ちている

言葉ではなく感情で全てを理解できる

洞察力が深い

直感が冴えている

思いやりのある行動

ただし、それは積極的な行動ではない

行動の源は「他人」のため

包み込む愛情

気まぐれな行動

（流れる水の様に）一貫性がない

感情に呑み込まれないように気をつけて

内側にこもってしまう

自分の世界に浸る

 

 

女王の周囲は、「水」の流れがとても豊かです。

周囲は、刻々と、まるで「水」が流れる様に、常に形を変え、勢いを変え、行く道を変えていきます。

それは、自分でコントロールできるものではないので、受け止めるしかありません。

 

それでも、自分の立っている「居場所」だけは守っていきたいと思ったら、当てにはならない周囲を意識するのではなく、自分の「感情」と向き合っていく方が得策です。

 

なぜならば、自分の「居場所」とは、自分が「これで良し」と納得できる場所だからです。

 

刻々と流れる周囲の「水」に負けないくらい、自分の内側にも、刻々と感情の「水」が流れている。

潤いのある「感情」は、決して枯れることはありません。